2020年02月12日

<16歳でオレオレ詐欺師になった男、手口大公開>→なんとも“救い”のない時代です!

<16歳でオレオレ詐欺師になった男、手口大公開>    2020/1/31 日経ビジネス
 記者は「16歳でオレオレ詐欺師になった」という若者に接触し、インタビューを敢行した。片っ端から高齢者に電話して、息子を装ってカネをむしり続けたという。
 警察庁の集計によればオレオレ詐欺の被害総額は2018年に189億円となり、6年連続で150億円を上回った。だまされた高齢者は悩み苦しみ、中には命を絶つ者もいる。
 そんな卑劣な犯行に及んだ青年を山口宗佑氏(仮名)と呼ぶことにしよう。大阪・新世界の喫茶店で対面した山口氏は、野球帽とスニーカーをおしゃれに着こなす今どきの快活な若者だった。だがその口から語られたのは現実感を失い、暴走する現代の子どもたちの姿であった。
(聞き手は本誌・吉野次郎)   
―山口さんは今、何歳ですか。
山口:26です。詐欺師を始めたのは16だから、ちょうど10年前です。
―16歳で詐欺師ですか……。一体どんなきっかけで悪の道に転落したのでしょう。
山口:僕は東京の中学を卒業すると高校には進学せず、地元の建設会社で働きながら暴走族のメンバーとして活動するようになりました。その暴走族のOBにかけられた一言がきっかけです。
―何と言われたの?
山口:「荷物の運搬を手伝ってほしい」と言われました。連絡用に他人名義の携帯電話を渡されたとき、さすがにヤバそうな仕事だと気づきましたが、もう後戻りできません。先輩の言葉は絶対だと自分に言い聞かせて引き受けました。運搬の当日、指定されたマンションの前で荷物を受け取った途端、スーツ姿の捜査員に取り囲まれました。警察署に連行され、オレオレ詐欺のカネを受け取る「受け子」をやらされていたことを知りました。
―詐欺に気づいた被害者が警察に通報していたんですね。詐欺稼業の初日に逮捕されたのは、せめてもの救いだったと思うのですが。
山口:僕も改心して真面目に働こうと思いましたが、勤めていた建設会社には復職を認めてもらえませんでした。そんなとき再び暴走族のOBから「詐欺をやらないか」と声をかけられました。収入がなくなり、お金に困っていたので思わず「やります」と答えてしまいました。
―また受け子を引き受けたのですか?
山口:違います。詐欺グループに戻った僕は「かけ子」に昇格しました。名簿に従って高齢者に電話をかけ、言葉巧みに金銭を巻き上げる最前線の要員です。
―どんな職場環境でしたか?
山口:詐欺グループは東京都内で「ハコ」と呼ばれる拠点を4カ所運用していました。そのうちの1つの賃貸マンションが僕の配属先でした。ここには自分のほかにも3から4人のかけ子がおり、連日電話をかけていました。
―近所に怪しまれたりしませんか?
山口:「怪しげな若者が頻繁に部屋を出入りしている」などと近所に通報されるリスクは常にありますので、なるべく目立たないように行動していました。出勤時間は毎週日曜日の夕方で、退出は金曜日の夕方です。この間、一歩も外に出られません。つまり6日間にわたってハコに缶詰となり、電話をかけ続けるわけです。窓枠には目張りを施して外に漏れる音を減らすとともに、外から中の様子がのぞけないように昼間でも遮光カーテンを締め切っていました。
―かなり窮屈な共同生活ですね。私は耐えられないな。
山口:僕も最初は苦痛でしたが、そのうち平気になります。慣れって不思議なものですね。
―具体的にどのような電話をかけたのか教えてください。
山口:6日間の出勤中は毎晩午後7時から午前0時が「アポ電」と呼ばれる詐欺の準備段階の電話になります。具体的には「俺だけど、へんとう腺が腫れてしまって、明朝病院に行く。ちなみに携帯電話の番号が変わったから控えといて」という感じです。電話番号が変わったことにすれば、実の息子に電話してウソが発覚するのを防ぐことができます。名簿に従って1晩で400から500人に電話しました。
―そのうち何人ぐらいがだまされますか?
山口:こちらの言っていることを信じて「アポが取れた」状態の人は15人ほどに絞り込まれます。
●同じ被害者を繰り返しカモにする
―次はいよいよ詐欺の電話ということになるわけですね。
山口:はい。アポが取れた相手に対して翌朝8時半から全員に電話します。「病院に行ったけど、先生からストレスが原因ではないかと言われた。実は不倫相手を妊娠させて精神的にまいっている。相手の旦那さんから100万円の慰謝料を請求されており、本日中に振り込まないといけない。貯金が足りないので、払ってもらえないか」などとカネを無心します。
 だまし通すことに成功して、相手から電話で振り込んだとの連絡があれば、集金グループに連絡し、回収に向かわせます。僕らの詐欺グループは現金を直接手渡される受け子ではなく、ATMから現金を引き出す「出し子」を集金に使っていました。出し子が100万円を引き出したら、再び被害者に電話します。
―なぜですか?
山口:さらにお金をだまし取るためです。「相手の旦那さんから100万円しか振り込まれていないと文句を言われた。慰謝料は200万円だと言ったじゃん。ちゃんと聞いてよ」などといって、追加で振り込ませます。その後も弁護士費用が足りないなどと言って、相手がさすがにおかしいと気づくまでむしり続けます。
―山口さんはいくらぐらい手にしたのですか?
山口:詐取したカネの20%が自分の懐に入りました。1週間で合計1000万円をだまし取ることに成功したら、20%の200万円に加えてボーナスとして100万円が出ます。調子の良いときは1週間で300万円を手にすることができました。
―電話中に良心が痛むことはなかったのでしょうか。
山口:ありません。電話の向こうに生身の人間がいるという現実感がありませんでした。ただ1度だけ被害者の存在を意識したことがあります。高齢の女性でした。途中で詐欺であることに気づき、電話口で「お金返して!」などと悲鳴を上げていました。このときはさすがに怖くなり、血の気が引きましたね。
―それでも詐欺グループを抜けようとは思い至らなかったんですか?
山口:はい、そのときはやめようとは思いませんでした。でも19歳で無断でグループを抜けましたよ。
―足を洗ったんですか?
山口:違います。独立して仲間と新しい詐欺グループを旗揚げしました。
―そうですか……。
山口:けど僕らが新たに採用した集金グループは秘密保持が緩く、警察に捕まった出し子を起点に本格的に捜査が始まりました。仲間が芋づる式に逮捕され、捜査の手は自分にも迫りました。ある日、当時付き合っていた女性のマンションを出たところで、僕はスーツ姿の捜査員に囲まれました。4年に及ぶ詐欺稼業で身も心も疲れ切っており、「やっと来たか」という思いで逮捕を受け入れました。
 警察署では被害者の供述調書を読んで電話の向こう側にいた高齢者の心情を知りました。老後の生活費を簡単にだまし取られ自分自身を許せずにいる人、家族に責められ苦しんでいる人がいました。幸いにも警察で把握している被害者の中に自殺者はいませんでした。僕は二度と詐欺には手を染めないことを心に誓いました。
●現実感なく、遊び感覚で犯行
 山口氏のように、逮捕されるまでことの重大性に気づかずに卑劣な犯罪に手を染める子どもたちは後を絶たない。警察が2018年にオレオレ詐欺を含む特殊詐欺で検挙した人の3割が未成年だった。サイバー犯罪も未成年の犯行が目立つ。警察が18年に不正アクセス禁止法で検挙した世代で最も多かったのが10代で、3割に及んだ。サイバー犯罪捜査官として多くの未成年を検挙した警察OBによると、「犯行をネットで公開すると、みんな盛り上がってくれた」というのが子どもたちの定番の言い訳だという。まさに遊び感覚である。
 現実感のないまま犯行に及ぶ子どもたちの詳しい生い立ちは拙著『サイバーアンダーグラウンド/ネットの闇に巣喰う人々』に譲るとして、山口氏の「その後」に話を戻そう。
 起訴された詐欺は30件で、被害総額は6000万円に上った。山口氏は詐欺で手にした億単位のカネを豪遊でほぼ使い切っており、刑を少しでも軽くしようと、親が借金して弁償を肩代わりしてくれた。4年の刑期を終え、現在山口氏は大阪で金融商品の営業マンとして客先を回る日々を送っているという。
―まさか詐欺ではないですよね。
山口:架空の金融商品じゃないですよ。まともな仕事です。ずっと電話でしゃべっていたので、人並み以上には営業トークができるのではないかと思い、この仕事を選びました。被害額の返済を肩代わりしてくれた親には稼いだ給料の中から少しずつ返しています。
 果たして豪遊生活に未練はないのだろうか。最後に少々意地悪な質問をしてみた。
―オレオレ詐欺をやっていたころと比べて収入は桁違いに減ったのではないですか?
山口:はい。今さらながらお金を稼ぐのって大変だと気づきました。それが当たり前なんですよね?
 自分に言い聞かせているように見えた。
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👀 これでは、なかなかオレオレ詐欺が無くならないワケですね。
全く反省もなく、悪びれず淡々と詐欺をこなしていく下っ端実行犯(未成年などの若者)。
システマチックに構築された犯罪システム。
昔と違って、非行少年が若気の至りで犯罪を犯してしまうといった陳腐ながらに多少は納得できる犯罪の背景も無くなり・・・
無機的な犯罪システムと無感情な実行犯のゲーム的な犯行・・・現代的で“救い”がありません。
その上恐ろしいのは、上記の記事〜
「〜4年の刑期を終え、現在山口氏は大阪で金融商品の営業マンとして客先を回る日々を送っているという。」
〜という部分ですね。

 オレオレ詐欺で捕まっても、社会復帰して、金融商品の営業マン!!
犯罪である”特殊詐欺”から、犯罪ではない“金融商品の販売”へ!
老人ダマして、お金を得ることに、変わりはないですね。
この面でもまったく”救い”がない話でしたね。
いずれにしても、高齢の親を持つ皆さんは、「犯罪」か「犯罪でない」かを問わず「ダマされない」ということに注力するしか、平穏な老後は築けないことは、くれぐれもお忘れなきよう!





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posted by 隊長 at 12:00| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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