2019年11月08日

金融機関にこうしてだまされる(父のケースD)・・・高齢者及びご家族の皆様への教訓の巻

👀 N証券M支店にだまされ、証券・金融商品あっせん相談センターに相談しても、やはり高齢で理解力の衰えて金融機関に騙された高齢者は救われがたいことを認識させられた今回の経験でしたが・・・
今回の父のケースを通して、多少なりとも高齢者及び家族の皆様への教訓を記しておきましょう。

<教訓@ 認知症の診断書をもらっておく!>
 今回の父のケースでも、証券・金融商品あっせん相談センターの方に何度も言われたのは〜
「認知症の診断は受けられていますか?」
「認知症の診断書はありますか?」
ということでした。
加齢により理解力・判断力が衰えた高齢者が金融機関にだまされた場合、お話してきたとおり、現実には救済されることが難しい法律の運用になっています。
(金融商品取引法&金融商品販売法 は、本来もっと被害を救済するという法の趣旨であったはずだが・・・現実の運用は、極めて金融機関寄り(有利)になってしまっている)
ただ、契約以前に認知症の診断が下りている場合や認知症の診断書がある場合だけは、かなり有効です。
単なる加齢による判断力・理解力の低下程度では、なかなか抗弁できませんが、明確な疾病である認知症であれば、病気ということで、理解力・判断力の衰えも顕著ということが認められるので有利に事が運べます。
 ご本人に自覚が有るのが一番ですが、それは難しいでしょうから、ご家族が何とか薦めて(ごまかして)一日も早く認知症の診断を受けておくことです。

<教訓A 認知症であるとの診断がでたら、金融機関に通知!>
そして、もし認知症であるとの診断がでたら、金融機関に通知し、金融商品取引法&金融商品販売法 に基づき〜
「一切の勧誘行為を中止してもらう」
「認知症を通知したことの確認できる書面を貰っておく」
「取引に家族の同意を得ることを求める」
「取引の代理人の申請をする」(金融機関によっては高齢者に代理人をおくことが出来る制度があります。)
〜といったアプローチをしておくこと事が肝要です。
 最終的には、任意後見や法定後見という段階に至ることになりますが、現実には、そこに至るケースは全体から見ればごく少数です。
しかも、認知症初期の状態が一番金融機関に騙されやすいのです。
誰がどう見ても後見が必要と思える「認知症」のボケ老人になってしまえば、金融機関も必要な契約書や確認書を本人から取りづらくなるので、相当なワルでない限り金融商品取引を躊躇するようになりますから・・・

 私の父のケースでは、N証券に騙されたことを契機に、証券・金融商品あっせん相談センターの方にも言われてようやく、事後的に(騙されてから3ヵ月後)、医師の診断を受け、アルツハイマー型認知症であると診断されました。
やはり事後では「契約時点では、まだ診断が出ていなかった・・・」と金融機関に抗弁されるので、救われることはありませんでした。
本当に皆様には早めに受診しておくことを、強くお勧めします。
(診察受けて、認知症でなければ、それはそれで良い事ですしね・・・)

(つづく)


👀  心が荒むような「高齢者を食い物にする金融機関の実態」、そして「なかなかその被害が救済されない現実」が有ることを知っておきましょう。
   ↓
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<野村証券元社員の女を逮捕>    2019/1/16 tvkニュース(テレビ神奈川)
顧客の信頼を裏切るあるまじき行為の疑いです。
野村証券の元社員の女が顧客の80代の男性からキャッシュカード2枚をだまし取り、現金620万円を不正に引き出したとして15日県警に逮捕されました。
詐欺と窃盗の疑いで逮捕されたのは横浜市瀬谷区の会社員の嶋直美容疑者です。県警によりますと嶋容疑者は2016年、元の勤務先である野村証券で担当していた顧客の80代の夫婦に、「更新しなければならない」などと嘘をついてキャッシュカード2枚をだまし取った疑いが持たれています。嶋容疑者はその後、だまし取ったカードで現金およそ620万円を不正に引き出したとみられ、多額の引き出しがあったことから野村証券が夫婦に連絡をしたところ被害が発覚しました。事件を受けて嶋容疑者は去年2月に野村証券を懲戒解雇になっていて、県警の調べに対し「間違いありません」と容疑を認めているということです。県警では、嶋容疑者が他にも横浜市内の複数の顧客からキャッシュカードをだまし取り、現金あわせておよそ5000万円を不正に引き出した疑いがあるとみて捜査を進めています。
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<認知症患者も「食いもの」に… 銀行・証券の投信販売「大手の安心は『幻想』だ」>  MSN産経ニュース 2012.6.9
 認知症の89歳の男性に投資信託を販売したとして、男性の家族らが大和証券に損害賠償を求めた東京地裁の訴訟で、大和側が請求の約7割にあたる600万円を支払う内容で和解が成立した。法廷に提出された証拠からは、契約内容を理解していない男性に対し、外務員が一方的に契約手続きを進める様子が浮き彫りとなった。高齢者向け投信販売のトラブルは近年急増しており、専門家は「強引な勧誘も目立ち、大手の銀行、証券会社だからといって油断してはいけない」と警鐘を鳴らしている。
家族を無視、本人交渉
 家族の設置したICレコーダーが、約900万円もの契約が交わされる瞬間を記録していた。
 《グローバル債券は…》《中国株式ファンドを買うんですが…》。外務員の専門用語交じりの説明に、《はいはい》《そうですか》と相づちを続ける男性。外務員に電話を渡されると、指示通りに支店職員に購入承諾を伝え、正式に手続きを終えた。
 しかし、直後の2人のやり取りでは、男性が契約を全く理解していない様子が明らかになる。
 外務員《では、またご連絡しますので》
 男性《そうすると、今日は…》
 外務員《買い付けをしました》
 男性《へっ? これから買い付けるんですか》
 男性の戸惑いを意に介さず、外務員は早々に退出した。
男性の家族らは「適正な勧誘を行ったとは到底考えられない」として平成22年6月、約820万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。 
 訴状によると、男性は80歳を過ぎた15年ごろから不可解な言動を繰り返すようになった。症状の進行に比例するように、投資信託の購入が急増。買い換えを含め購入総額は、18年には6千万円近くに達した。
 20年に「老人性認知症」の診断を受け、近所に住む家族が各社の外務員に交渉停止を求めていた。しかし、間もなく大和の後任担当者が家族に無断で再訪するようになったという。
 大和側は今年3月、約600万円を支払う和解案に応じた。「内容を十分精査した上で、適切に対応した」」とコメントしたが、男性の代理人、太田賢志弁護士は「悪質業者の詐欺とは性質が違うが、ここまでやるのか、と。大手であれば安心、というのは『幻想』だ」と語気を強める。
“違法”立証は困難
 投資信託協会(東京)が実施した23年調査によると、投資信託の保有割合は年代を追うごとに増加し70代では17・7%に。弁護士有志で構成する全国証券問題研究会の野沢健事務局長は「超低金利の時代に、年金不安も高まっている」と人気の背景を分析する。
 一方で、購入をめぐるトラブルも顕在化している。国民生活センターの「消費生活年報」によると、22年度の「ファンド型投資商品」に関する70代以上の相談は3025件(前年度1077件)に上った。
 金融庁は業者への監督指針で「顧客の知識、経験やリスク管理能力に応じ取引内容に留意する」と定めるが、具体的な対応は各業者に一任。証券課担当者は「国として規制を強化すれば、購入の権利を奪う『高齢者いじめ』として批判されかねない」と明かす。
 また、契約成立後に家族が無効を訴えても「『病状に気づかなかった』という外務員の注意義務違反を立証するのは困難」(野沢事務局長)で、「隠し録音」が有利に働いた今回のようなケースはまれだという。
 近年は金融工学を駆使した難解な商品も増加しており、太田弁護士は「『内容を把握できない商品は買わない』ことを徹底するよう家族が見守り、自衛するほかない」と話している。
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2019年10月29日

金融機関にこうしてだまされる(父のケースC)・・・金融ADRは「ボケ老人を救わない」の巻

👀 N証券M支店にだまされ、証券・金融商品あっせん相談センターに相談し、期待しつつ、再度N証券との話し合いを持ったものの、話し合いは平行線のまま・・・
さあ騙され親子はどうなるか?

<証券・金融商品あっせん相談センターのHPにある理想的解決の図>
 証券・金融商品あっせん相談センターのHPにある下図のように、当事者間の話し合いで“解決!”となればいいのですが・・・
判断力が衰えた高齢者の取引の場合、金融機関は契約書や確認書を基に「正当な取引!!」と突っぱねてくる場合がほとんどなので、そうは問屋が卸しません。
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<「あっせん」で、金融機関に騙されたボケ老人は救われるのか?>
 証券・金融商品あっせん相談センターに相談し、再度N証券と当事者間の話し合いをしたものの、話し合いは平行線に終わりました。
このような場合、解決への次の段階として、「あっせん」へ進むしかないのですが・・・
理解力・判断力が衰えた高齢者が金融機関に騙された場合、実際には「あっせん」で救われることは、なかなか難しい現実を知ることになります。
今回の場合、そもそも理解力や判断力が衰えた父に代わり私(子)が証券・金融商品あっせん相談センターに相談したのですが・・・
証券・金融商品あっせん相談センターの言うには、「あっせん」に関しては、原則として本人(ボケ老人)が行ってもらいますとのこと。
親族は代理人にはなれないそうで(原則)・・・父のように本人が認知症のような場合には、子が補佐人のような立場で、発言は出来ませんが、「あっせん」の場に立ち会うことは出来ますとのことでした。
しかし現実には、これでは高齢で理解力の衰えた高齢者が金融機関に騙された場合、なかなか救われることはないでしょう。
そもそも、高齢で理解力が衰えて金融機関に騙された高齢者は、証券・金融商品あっせん相談センターに相談することもできないのが普通です。
だから子が相談に来ているわけですから・・・
逆に言えば、自分が騙されたことを認識し、証券・金融商品あっせん相談センターに相談し、自分でテキパキと「あっせん」を申し立て、進めることが出来るような老人なら・・・金融機関に騙されないのではないかと思います。
あえて無理を押して、ボケた老人である本人に、「あっせん」を申し立てさせたとしても・・・
記憶も判断力も乏しいボケた老人が、キチンとした答弁・抗弁を出来るとも思えませんし、そもそも申立書を書くことすらママならないでしょう。
親族としても、あっせんの場で父が相手の証券会社やあっせん委員にいろいろ尋ねられ、シドロモドロになるのをただ何も言えず見ているだけなど、想像するだけで、なんとも哀れで耐えられません。

 また、本人が無理であれば、子は代理人になれない(原則)ということでは、弁護士を代理人に立てざるを得ません。
しかし、それではそもそも「あっせん」本来の低廉で簡易・迅速な解決・・・は図れないことになります。
このような運用が、「あっせん」という法的な制度としての整合性の為に必要であることは、理解は出来るものの・・・
現状の「あっせん」では、高齢で理解力の衰えて金融機関に騙された高齢者は、なかなか救われないことは否めない事実でしょう。
現状の「あっせん」は、まったく正常で判断力・理解力が十分ある者が、たまたま金融機関の不法な勧誘や不実の告知などにより騙されたような場合を救済することを想定して出来た金融被害救済策なのでしょう。
加齢で理解力や判断力が衰えた高齢者が金融機関にそそのかされたような場合は、そもそも想定外と言わざるを得ないでしょう。
「あっせん」を自分でキチンと申し立てられないような被害者(ボケた老人)などは救済されにくいことを重々認識して、ダマされないようにすることが肝要です!
くれぐれも〜
「高齢の親が騙されても金融ADRが有るから救われる!」
「騙されてから行けば何とかなるでしょ・・・!」
〜なんて夢にも思わないように!!

<今回の結論:ボケた老人は金融機関に騙されても、なかなか救われない。>
今回あらためて認識させられたのは、完全に事理弁識に問題があり後見人制度のお世話になるほどではないが、加齢や認知症により理解力・判断力が落ちた老人を効果的に救う手段が、ほとんどないという現実です。
本来は、「金融商品取引法&金融商品販売法」の制定によって、「適合性の原則」・「説明義務」といった消費者保護の規定で救われるはずなのですが・・・
現実の法の運用は、今まで述べてきたとおりの実態です。
金融機関が必要な契約書や確認書を用意し、ボケた高齢者が署名押印してしまうと、それを正当な取引の証拠とされ、歯牙にも掛けられません。
(契約以前の日付で「認知症の医師の診断書」が有ったり、それを金融機関に通知していたりといった事実でもあれば、別なのかもしれませんが・・・)
少なくとも今回の父のケースでは、被害を認識した後に医師の診断を受け「アルツハイマー型認知症」との診断が出ても、あくまで契約後なので、金融機関としては「正当な取引」との見解を一切譲りませんでした。
ADR機関もそれでもあくまで「中立」、「(認知症の)本人があっせんを申し立てるのが原則」との立場は変わりません。

<「あっせん」の代理人に弁護士頼む位なら・・・>
 ADRによる「あっせん」による被害の救済は、事実上100%勝っても、被害(損失)額が取り戻せるだけです。
分かりやすく言えば、交通事故の場合のように、損害額のうち事故の過失分は相殺されて保険が支払われるようなもので・・・
金融機関にダマくらかされて、投信を買わされた挙句、元本を1000万毀損したような場合。
「あっせん」では、完全に勝利しても1000万戻ってくるだけです。
しかし、それは「完全な勝利」は、ごくレアなケースであり、大半の場合は購入者の過失(自己責任)が勘案され〜
「損失額の70%だけ支払われる」
「損失額の半分だけ支払われる」
〜といったように過失分が相殺されてしまうのが、普通です。
 結局「あっせん」では、損失額が全部取り戻せないだけでなく、代理人に弁護士を雇ったらその弁護士費用まで支払うことになりますから、事実上あまりメリットがありません。
いっそのこと、費用を掛けて弁護士を雇うのであれば、「あっせん」ではなく、金融商品取引法&金融商品販売法 の違反を含めた、不法行為による損害賠償請求訴訟をした方が良いのではないかと思います。


(つづく)


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2019年10月17日

金融機関にこうしてだまされる(父のケースB)・・・金融ADRは騙され老人を救うか?の巻

👀 N証券M支店にだまされ多額のファンドラップや投信を買わされたことを契機に病院で認知症であることまで分かってしまった哀れなヘッポコ父の為、一矢報いるべく支店や本社に苦情を申し出るも・・・
体よく、けんもほろろに追い返される始末。
さあ騙され親子の次の一矢とは?

<金融ADR制度(金融分野における裁判外紛争解決制度)で騙された老人は救われるのか?>
 金融ADRは、金融ビックバンによる規制緩和に伴い、金融機関による消費者被害が増大することの対応策として、消費者保護の観点から拡充された制度です。

〜政府広報でも〜
金融トラブル、費用をかけずに早期解決!金融ADR制度をご利用ください。
金融ADR制度とは、金融機関と利用者とのトラブルを、裁判以外の方法で解決を図る制度です
裁判に比べて、短時間、低コストで、トラブルの解決を図ることができます
金融ADR機関に所属する金融分野に見識のある弁護士等の中立・公正な専門家(紛争解決委員)が和解案を提示し、解決に努めます
金融ADR機関は業態ごとに設立されています。ご利用の際には、取引先の金融機関またはその金融機関が契約している金融ADR機関へお問い合わせを
〜と説明されています。

 いかにも頼れそうな存在なので、早速ADRの一つである「証券・金融商品あっせん相談センター」に苦情を申し立てることにしました。
まず、父の件を電話相談してみると、相談員に経緯や相手金融機関について訊かれ、「本人(父)にも確認したいので電話してもいいですか。」ということでした。
後日、相談員が本人(トボケタ父)に電話して確認してくれたのですが、金融取引や被害を忘れていたりで、かなり理解力や判断力に問題があることは理解いただけました。
とりあえずは、「証券・金融商品あっせん相談センター」から今回の苦情をN証券に通知してみますということになりました。

<再び、N証券M支店で話し合い!>
 「証券・金融商品あっせん相談センター」から通知され、もう一度話し合いを持ちなさいと指示されたのでしょう。
N証券M支店から「もう一度支店で話し合いをしましょう。」という連絡が我々に来ました。
「そちらの正当な取引というスタンスが変わらないのであれば、お互いに時間の無駄になるので話し合いはしなくても良いのでは・・・」とこちらとしては申し上げましたが・・・
「是非とも・・・」ということなので、もう一度話し合いをすることになりました。
(出席者 N証券M支店長 営業の責任者 支店総務担当者 ボケた父と子)
ボケた父が〜
「ファンドラップの一任勘定は一切説明を受けなかった・・・」
「担当営業に押印部以外は隠されて署名押印させられた・・・」
〜等々物忘れも混じりつつ、トンチンカンなことも織り交ぜながら訴えているのを聞いているのは、身内としては悲しいものです、ハイ。
 結局この話し合いも進展はなく、お互いの主張は平行線のままでした。
今思えば、単に形式的な手続きの形として、N証券としては「申立者と直接チャンと話し合いをしましたよ!」という誠実に苦情と向き合っていますよという実績を残すために、席を設けたに過ぎなかったのでしょうね。
そして、後日、N証券から「証券・金融商品あっせん相談センター」に話し合いの結果が報告されました。

(つづく)


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